医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Exploring individuals' perceptions and acceptability of a 'wait and see' approach for managing self-limiting illnesses: A qualitative study (Patient Educ Couns 2023)

Abukmail E, Bakhit M, Hoffmann TC. Exploring individuals' perceptions and acceptability of a 'wait and see' approach for managing self-limiting illnesses: A qualitative study. Patient Educ Couns. 2023 Oct 20;118:108032. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、自己制限性疾患(通常は自然に治癒する疾患)を管理するための「wait and see(様子を見る)」アプローチ、およびそれを表現するフレーズに対する個人の認識と受容性を調査することである。

方法:30名のオーストラリア人を対象とした半構造化面接。2人の研究者が独立してインタビュー記録のテーマ分析を行い、著者全員が最終的なテーマに合意した。

結果:4つのテーマが浮かびあがった:「様子見」の意味の解釈はさまざまで、すでに医療機関を受診しているかどうかも含まれる;個人の経験や状況が、「様子見」アプローチの可否に影響を与えた。;症状管理は、このアプローチを説明する最も安心できる表現であると認識されていた;「wait and see」アプローチに関する明確なコミュニケーションを非常に重視し、待機期間中の協力的で行動志向の計画を望んでいた。

結論:個人は一般的に「様子見」アプローチを受け入れたが、病気や状況によってはそうでない場合もあった。適切な場合には、少なくとも選択肢として提示されることを望んでおり、用語としては「symptom management (症状管理)」が好まれた。明確なコミュニケーションと協力的な意思決定が評価された。
「様子見」が妥当な選択肢である場合、臨床医はそのことを患者に伝え、意思決定を支援し、その選択肢が選択された場合の待機期間の計画を提示すべきである。