医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Perspectives and experiences of COVID-19 vaccination in people with autoimmune and inflammatory rheumatic disease (Patient Educ Couns 2023)

Peng D, Kelly A, Brady B, Faasse K, El-Haddad C, Frade S. Perspectives and experiences of COVID-19 vaccination in people with autoimmune and inflammatory rheumatic disease. Patient Educ Couns. 2023 Sep 30;118:107996. Epub ahead of print.

背景:自己免疫性・炎症性リウマチ疾患(AIIRD)患者はCOVID-19の罹患リスクが高い。COVID-19ワクチン接種は合併症の減少に有効であるが、AIIRD患者ではワクチン接種をためらう傾向が顕著である。我々は、COVID-19ワクチン接種に懸念を抱くAIIRD患者の経験と見解を記述することにより、ワクチン接種のためらいを理解し、意思決定の共有を促進することを目的とした。

方法:COVID-19ワクチン接種に関して懸念を表明した免疫抑制薬服用中のAIIRD成人患者を、テーマが飽和するまで合目的的に抽出した。個別の半構造化面接を実施し、反射的テーマ分析を用いて分析した。

結果:AIIRDの成人16人がインタビューを受けた。テーマ分析の結果、4つのテーマが得られた:脆弱性の感覚の高まり、個人の適性の判断、自由と救済への絶望、懐疑心による抑止。

結論:COVID-19ワクチン接種に対するAIIRD患者の視点は、脆弱性の感覚によって形成された。意思決定の経験は困難であり、情報の取り扱い、外部からの圧力への対処、否定的な意見への対応に苦慮した結果であった。
親しい家族や友人を巻き込み、否定的な意見やプレッシャーを避け、協力的なアプローチをとることで、COVID-19ワクチン接種に関する意思決定を支援することができる。ワクチン接種の潜在的リスクについて明確に説明することで、後悔やためらいが生じた場合にそれを防ぐことができる。