医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Novel COVID-19 vaccine hesitancy and acceptance, and associated factors, amongst medical students: a scoping review (Med Educ Online 2023)

Pandher R, Bilszta JLC. Novel COVID-19 vaccine hesitancy and acceptance, and associated factors, amongst medical students: a scoping review. Med Educ Online. 2023;28:2175620.

背景:医学生はCOVID-19患者に接する可能性が高いため、このグループの医療従事者が高いワクチン接種率を達成することは重要であり,ワクチン接種のロールモデルとなる可能性もある。本スコーピング・レビューの目的は、医学生におけるCOVID-19ワクチンの躊躇と受容の割合、および関連因子を明らかにするために、現在の文献を評価することであった。

方法:Medline Ovid, Embase, PubMed, Education Resources Information Centre (ERIC) オンラインデータベースの系統的検索を行い、キーワード('COVID-19', 'vaccine hesitancy & acceptance' and 'medical students')で関連論文を探した。論文は、医学生におけるワクチンの躊躇と受容の割合、および関連因子を報告するものをレビューの対象とした。

結果:258件の論文のうち、52件が包括的な基準を満たし、全文レビューが行われた。ワクチン接種をためらう割合は5.4~86.7%であり、COVID-19の接種に対して概ね肯定的な態度であった。ワクチン接種をためらう主な要因は、ワクチン開発の加速による安全性と有効性への懸念、前臨床医学生であること、COVID-19感染に対する個人リスクの低認識などであった。性別がワクチン接種に対する態度に及ぼす影響については、矛盾が認められた。COVID-19ワクチン接種に対する意欲は、過去の接種行動から予測された。COVID-19ワクチン接種とその重要性に関する知識は、ワクチン接種を躊躇する医学生に不足していることが明らかになった。

結論:一般に、医学生はワクチン接種を躊躇する程度が低い・しかしワクチン接種を躊躇する要因は集団によって異なり、また躊躇は動的で文脈的な性質があるため、ワクチン接種の意図と関連する態度を縦断的にモニターすることが推奨される。メディカルスクールが自校のニーズに特化したワクチン接種を奨励する戦略を開発できるように、地域レベルでワクチン接種のためらいをマップ化することが重要である。