医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"Every day that I stay at home, it's another day blaming myself for not being at #Frontline"-Understanding medical students' sacrifices during COVID-19 Pandemic (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

Lima Ribeiro D, Pompei Sacardo D, Jaarsma D, de Carvalho-Filho MA. "Every day that I stay at home, it's another day blaming myself for not being at #Frontline"-Understanding medical students' sacrifices during COVID-19 Pandemic. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Dec 12. Epub ahead of print.

背景:COVID-19は世界を襲い、医療制度と専門家を引き伸ばした。医学生は、個人的・職業的な犠牲を払ってパンデミック対策に従事した。しかし、これらの犠牲が学生の専門的な成長に及ぼす影響については、まだ知られていない。

方法:我々は、ブラジルにおけるCOVID-19パンデミックの第一波の際に、最終学年の医学生18名に対して行われた個人音声日記(合計時間=5時間38分)とインタビュー(合計時間=11時間57分)に対して、構成主義的グラウンデッド・セオリーを適用した。

結果:犠牲を払うという視点は、医学生に最初の感情的苦痛を与え、その後、3つのテーマ(犠牲への素因、有能感、帰属意識)を軸とした交渉プロセスを引き起こした。この交渉の結果、3つの回答パターンが導き出された。パターンA:「義務感なし」-犠牲は無意味と認識され、学生は激しい怒りと逃げ出したい気持ちを示した。パターンB:「義務感あり行動躊躇」-犠牲は正当と認められたが、学生は貢献する準備が整っていないと感じ、不満と恥の感情をもたらした。パターンC:「義務感あり行動準備」-犠牲に関わることは、医師として成長する機会であると認識し、充実感と誇りをもたらした。COVID-19に取り組む準備ができている学生は、アイデンティティの協和を経験し、専門家としてのアイデンティティが強化された。一方、無能だと感じた、あるいは犠牲が無意味だと感じた学生は、アイデンティティの不協和を経験し、感情的な苦痛やコースの放棄を検討するようになった。

結論:専門的な課題に直面したときの学生の感情的な反応をモニタリングすることは、医療専門職における犠牲の役割を問題化し、専門家としてのアイデンティティを育成する足がかりとなる機会を創出する。