Mabuza LH, Moshabela M. What do medical students and their clinical preceptors understand by primary health care in South Africa? A qualitative study. BMC Med Educ. 2023;23:785.
背景：1978年に世界保健機関（WHO）が発表したプライマリ・ヘルスケア（PHC）の定義では、必要不可欠な医療は、個人とそのコミュニティが、住み、働く場所の近くで受けられるようにすべきであるとされている。1992年、StarfieldはPHCの4つの柱を明確にした：患者が最初に医療に接すること、包括的ケア、協調的ケア、継続的ケア。この文献を参考に、本研究では、南アフリカの4つのメディカルスクールにおいて、卒前医学生とその臨床プリセプターがPHCをどのように理解しているかを探った。
方法：現象学的デザインを用いた質的研究を、卒前医学生とその臨床プリセプターを対象に実施した。舞台は南アフリカの4つのメディカルスクール（Sefako Makgatho Health Sciences University、Walter Sisulu University、University of KwaZulu-Natal and the Witwatersrand University）である。臨床プリセプターには合計27件の詳細なインタビューを行い、臨床トレーニング年限（MBChB 4～6年）の学生には16件のフォーカス・グループ・ディスカッションを行った。インタビューはデジタル録音され、逐語的に書き起こされた後、MAXQDA 2020（Analytics Pro）ソフトウェアを用いてテーマ分析が行われた。
結果：PHCの理解について、医学生とプリセプターとで相同性のある4つのテーマが同定された：(1)PHCは患者と医療システムの最初の接点、(2)包括的ケア、(3)ケアの調整、(4)ケアの継続性。さらに、これら2つのグループの理解が一致しないテーマとして、(5)医療のレベルやアプローチとしてのPHC、(6)PHCにおける臨床専門プリセプターの役割、の2つが挙げられた。
結論：医学生とその臨床プリセプターは、Starfieldが明確にした4つの柱とWHOのPHCの定義に沿ったPHCの理解を示した。しかし、乖離している部分もあり、メディカルスクールはWHOとStarfieldのガイダンスに従って、PHCの全体的な理解を深めるべきである。
