医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Impacts of early clinical exposure on undergraduate student professionalism-a qualitative study (BMC Med Educ 2022)

Liu CI, Tang KP, Wang YC, Chiu CH. Impacts of early clinical exposure on undergraduate student professionalism-a qualitative study. BMC Med Educ. 2022;22:435.

背景:早期臨床体験 (ECE: Early Clinical Exposure)は、前臨床トレーニング中に、社会的・臨床的な文脈で本物の人間と接触することであり、多くのメディカルスクールで採用されている。本研究は、医学生のプロフェッショナリズムの重要性に対する意識を高めるためのカリキュラムデザインに情報を提供することを目的として、ECE介入後に医学生のプロフェッショナリズムの感覚がどのように変化したかを調査するものである。

方法:本研究のデータ収集のため、ECE学生を対象としたフォーカス・グループを開催した。参加者は全員、開始前にインタビューガイドラインを読んだ。フォーカスグループでは、学生は、4つの異なるECEコースから選択できるコースを通して認識される医療上の義務について議論した。その後、コース中に遭遇した状況についての理解を報告し、その意味について考察するよう求められた。

結果:2019年9月にECEコースを修了した直後に、台湾北部のメディカルスクールの学生計22名を対象に6回のフォーカスグループを開催した。回答から、医療プロフェッショナリズムに関連する10のカテゴリーが5つの主要な次元に分類されて推論された。さらに、態度に関する8つの下位次元と個人のwell-beingに関する2つの下位次元も、医療プロフェッショナリズムとは別の、しかし関連する新しいカテゴリーとして同定された。ECE介入後、約59%の参加者が医療プロフェッショナリズムの理解を再定義した。

結論:ECEと患者や家族を含む主要なステークホルダーとの集中的な交流は、医学教育の初期段階にある学生が医療プロフェッショナリズムの感覚を形成・育成するうえで有用である。しかし、参加者の性格、動機、臨床活動との関係については、さらなる検討が必要である。