医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Maturing through awareness: An exploratory study into the development of educational competencies, identity, and mission of medical educators (Med Teach 2023)

Ottenhoff-de Jonge MW, van der Hoeven I, Gesundheit N, Kramer AWM, van der Rijst RM. Maturing through awareness: An exploratory study into the development of educational competencies, identity, and mission of medical educators. Med Teach. 2023 Aug 6:1-9. Epub ahead of print.

背景:学習中心の医学教育におけるファカルティ・ディベロップメントは、教員が学生の学習のファシリテーターとして成熟することを支援することを目的としているが、しばしば非効率的である。教育者の成熟を持続的に支援する方法は不明である。我々は、学習中心教育(より一般的には学生中心教育と呼ばれる)に携わる医学教育者が、時間の経過とともにどのように成熟していくのか、またなぜ成熟していくのかを調査した。

方法:質的追跡調査を行い、21名の上級医師教育者に10年間隔で2回インタビューを行った。4つの教育者表現型を区別する階層モデルを用いて、教育者の職場環境に対する意識、教育能力、アイデンティティ、「使命」、すなわち個人的なインスピレーションの源を演繹的に検討した。教育者表現型の進歩によって自覚が高まった教育者に対しては、再インタビューを行い、彼らの成熟を導いたと思われる要因を帰納的に探った。

結果:少数派の医学教育者が、10年間の研究期間中に自分の教育者としての資質について認識を深めていた。意識の後退は起こらなかった。教育者としての成熟は、医師としての成熟や、主にインフォーマルな学習機会に参加することと関連していると認識されていた。

結論:医学教育者の成熟は起こりうるが、保証されるものではなく、教育的コンピテンシーアイデンティティ、使命に対する意識の成長を通して進行するようである。どの段階においても、成熟は医師としての課題、アイデンティティ、使命によって動機づけられる。