医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Exploring mentorship in surgery: An interview study on how people stick together (Med Educ 2023)

Enani GN, Brydges R, MacRae HM, Louridas M. Exploring mentorship in surgery: An interview study on how people stick together. Med Educ. 2023 Jul 23. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、メンターとメンティーが外科における指導関係をどのように開始し、維持し、成長していくのか、そのプロセスを探ることである。外科領域において、メンターとメンティーがどのように、そしてなぜメンターシップ関係を開始し、維持し、発展させていくのか、そのプロセスを探ること。メンターシップが医師の成功にプラスの影響を与えることを示すエビデンスがある。その結果、メンターシップ・プログラムは、成功の度合いに差はあるものの、多くの医療環境に取り入れられてきた。

方法:我々は、若手外科医と経験豊富な外科医の間のメンターシップのダイナミクスを探るために、構成主義的グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いたインタビュー・ベースの研究を計画した。採用されたメンティーには、メンターとして認識している上級外科医を指名するよう求めた。メンティとメンターの両方は、別々にインタビューした。トランスクリプトは、最終的なコーディングのフレームワークを作成し、テーマを生成するために定比較を使用して分析した。

結果:メンター9名とメンティー10名にインタビューを行った。分析の結果、メンターシップを開始し、維持し、成長させる方法を示す主要なテーマが特定された。メンターシップは「相性の良さ」を確認することから始まり、タイムリーなコミュニケーションで相互のループを満たすことで持続し、相互投資、学習、成功のサイクルを通じて関係を深めていく。参加者はまた、関係が壊れるのを避けるために、緊張関係をどのように乗り切るか、形式と友好のバランスをとるか、関係を新しいダイナミズムに移行させるタイミングを知るか、現実的な貢献分野を見つけるかについても議論した。

結論:成功するメンター関係はダイナミックなものであり、メンティとメンターの積極的な投資と責任分担が必要であることがわかった。また、我々の結果は、相互投資のサイクルが相互学習と成長に貢献する、関係における共同管理の価値を強調している。