医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Definition, Measurement, Precursors, and Outcomes of Trust Within Health Care Teams: A Scoping Review (Acad Med 2023)

Hamilton AL, Layden EA, Storrar N, Skinner J, Harden J, Wood M. Definition, Measurement, Precursors, and Outcomes of Trust Within Health Care Teams: A Scoping Review. Acad Med. 2023 Jul 11. Epub ahead of print.

背景:このスコーピング・レビューの目的は、医療ケアチームにおいて信頼がどのように定義されるかを検討する文献の幅を広げ、どのような信頼の測定方法が用いられているかを説明し、信頼の前兆と結果を調査することである。

方法:5つの電子データベース(Ovid MEDLINE、CINAHL、PsycInfo、Embase、ASSIA [Applied Social Sciences Index and Abstracts])を2021年2月にグレー文献の情報源とともに検索した。研究に含めるには、患者ケアの管理に直接関与する医療チームと、関係概念としての信頼の一側面について論じる必要があった。信頼の定義と信頼を測定するために使用されるツールの内容カウントと、医療チームにおける信頼の前兆と結果についての演繹的テーマ分析が行われた。

結果:最終的に157の研究がフルテキストレビューの対象となった。信頼は18の研究(11%)の主な焦点であり、ルーチンには定義されていなかった(38, 24%)。定義には能力 (ability)が鍵となるようであった。信頼は34件(22%)の研究で測定されており、多くの場合、特注の尺度が用いられていた(8/34, 24%)。医療チームにおける信頼の前兆は、個人、チーム、組織の各レベルで生じる。信頼の結果は、個人、チーム、患者の各レベルで生じる。コミュニケーションは広範な包括的テーマであり、信頼の前兆としても結果としても、すべてのレベルに存在した。リスペクトは前駆因子として、個人、チーム、組織の各レベルで信頼に影響を及ぼし、信頼は結果である学習に、患者、個人、チームの各レベルで影響を及ぼした。

結論:信頼は複雑でマルチレベルの構成要素である。このスコーピングレビューは、医療チームに適用できる可能性のある迅速信頼モデルの探求を含め、文献のギャップを浮き彫りにした。さらに、このレビューから得られた知識は、チームプロセスやチームワークを最適化するために、今後のトレーニングや医療実践に統合される可能性がある。