医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Clinical supervision under pressure: a qualitative study amongst health care professionals working on the ICU during COVID-19 (Med Educ Online 2023)

van Dam M, van Hamersvelt H, Schoonhoven L, Hoff RG, Ten Cate O, Hennus MP. Clinical supervision under pressure: a qualitative study amongst health care professionals working on the ICU during COVID-19. Med Educ Online. 2023;28:2231614.

背景:2020年にCOVID-19を発症した患者が集中治療室(ICU)に流入するという前例のない事態が発生したため、ICUで十分な訓練を受けたことのない医療従事者の再配置が必要となった。このような異常な状況において、効果的な臨床監督 (clinical supervision)の極めて重要な要素が浮かびあがってきた。本研究は、COVID-19 ICUsの認定を受けた医療従事者および再派遣された医療従事者を対象に、非常に厳しい状況下における監督の性質、側面、主要な特徴を探ることを目的とする。

方法:2020年7月から12月にかけて、オランダのユトレヒト大学医療センター(University Medical Center Utrecht)のCOVID-19 ICUsに勤務する医療従事者を対象とした、前向き質的、単一施設、半構造化面接研究。インタビューデータは帰納的コーディングスタイルを用いて分析した。

結果:医師、看護師、手術室技師を含む計13名の認定医療従事者と13名の再就職医療従事者が参加した。認定医(監督者)と再赴任者(研修生)の双方にとって不可欠なものとして、7つのテーマが特定された:オープンな態度、境界線の遵守、同僚の能力の把握、利用可能であること、フィードバックの提供、ケアとチームの継続性、監督と業務量の組み合わせ。

結論:本研究は、臨床監督を最適化するために、監督者と研修生の双方に7つの推奨事項を提示した。これらは、委託と監督を決定する既知の5つの要因(研修生、監督者、タスク、コンテキスト、関係性)に沿ったものである。良好な臨床監督を確保するためには、それが平常時であれ、プレッシャー下であれ、監督者や研修生がコントロールできる範囲内の要因に主に焦点を当てるべきである。