医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Clinical learning environments across two different healthcare settings using the undergraduate clinical education environment measure (BMC Med Educ 2023)

Benamer HT, Alsuwaidi L, Khan N, Jackson L, Lakshmanan J, Ho SB, Kellett C, Alsheikh-Ali A, Stanley AG. Clinical learning environments across two different healthcare settings using the undergraduate clinical education environment measure. BMC Med Educ. 2023;23:495.

背景:医学生の臨床実習先は、私立と公立にほぼ均等に分布している。本研究の目的は、Undergraduate Clinical Education Environment Measure(UCEEM)を用いて、これら2つの異なる医療環境における医学生の臨床学習環境(Clinical learning Environment:CLE)に対する認識を評価することである。

方法:76名の医学部生(5年生と6年生)に参加を呼びかけた。データは、人口統計と症例負荷に関する追加質問を含むオンラインUCEEMを用いて収集された。UCEEMは、経験的学習と社会参加の2つの包括的領域と、学習機会、準備、職場交流、包摂の4つの下位領域から構成されている。

結果:38件のアンケートが寄せられた。UCEEMの個別項目に対する225件の回答のうち、51件(22.6%)が平均4点以上(範囲4~4.5、強い分野を表す)、31件(13.7%)が平均3点以下(範囲2.1~3、注意が必要)、143件(63.6%)が平均3.1~3.9点(改善すべき分野)と回答した。症例数暴露の回答の大半(63%)は、平均4点以上(範囲4~4.5点)であった。私立に比べて、公立では、UCEEMの総スコア(p = 0.008)、学生の入学準備(p = 0.003)、社会参加の包括的次元(p = 0.000)のスコアが有意に低下している。同様に、職場の相互作用パターンと学生の包摂・平等待遇のスコアは、いずれも公的部門で有意に低かった(それぞれp = 0.000、p = 0.011)。3項目のうち2項目は、公的部門で有意に高得点であった(p = 0.000)。

結論:学生のCLEに対する認識は概ね肯定的であった。公的部門の項目でUCEEMの評価が低かったのは、学生の入学準備、職場の相互作用、学生の包括性、労働者の待遇の公平性に関するものであった。対照的に、公的部門では、学生はより多様で多くの患者に接していた。これらの違いは、2つのセクター間で学習環境が大きく異なることを示していた。