医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Measuring wellbeing: A scoping review of metrics and studies measuring medical student wellbeing across multiple timepoints (Med Teach 2023)

Li H, Upreti T, Do V, Dance E, Lewis M, Jacobson R, Goldberg A. Measuring wellbeing: A scoping review of metrics and studies measuring medical student wellbeing across multiple timepoints. Med Teach. 2023 Jul 5:1-20. Epub ahead of print.

背景:医学生における精神的健康度の低さは研究により証明されている。しかし、研究デザインや測定基準には大きなばらつきがあり、比較可能性が損なわれている。著者らは、複数の時点にわたって医学生ウェルビーイングを測定するために使用されている指標と方法を検討し、指針が必要な箇所を特定することを目的とした。

方法:2021年5月から6月にかけて、複数のタイムポイントにおける医学生を対象とした調査ベースの測定基準を用いた研究について、5つのデータベースを検索した。スクリーニングとデータ抽出は2名の査読者が独立して行った。原稿、方法論、測定基準に関するデータを分析した。

結果:221件の研究が含まれ、109件が観察研究、112件が介入研究であった。臨床学生に焦点を当てた研究は限られていた(15.4%)。ストレス管理介入が最も多かった(40.2%)。参加者を12ヵ月以上追跡した介入研究はほとんどなく(3.57%)、38.4%はコントロール群を有していなかった。13の構成要素を測定する140のユニークな測定基準があった。メトリクスの52.1%は1回のみ使用された。

結論:医学生ウェルビーイング調査をめぐる独自の課題だけでなく、研究デザインにおけるギャップに対処するための独自のガイダンスが必要である。測定基準の使用は非常に多様であり、現在の学生の多様性を反映した医学生サンプルで特に検証された測定基準を特定するための今後の研究が必要である。