医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The art of seeing: The impact of a visual arts course on medical student wellbeing (Med Teach 2023)

Noorily AR, Willieme A, Belsky M, Grogan K. The art of seeing: The impact of a visual arts course on medical student wellbeing. Med Teach. 2023 Mar 2:1-6. Epub ahead of print.

背景:医学生バーンアウトはますます一般的になってきている。The Art of Seeingは、米国のあるメディカルスクールのvisual arts electiveである。本研究の目的は、ウェルビーイングの基礎となる属性であるマインドフルネス、自己認識、ストレスに対するこのコースの効果を明らかにすることであった。

方法:2019年から2021年にかけて、合計40人の学生がこの研究に参加した。15名の学生がパンデミック前の対面式コースに参加し、25名の学生がパンデミック後のバーチャルコースに参加した。事前および事後テストでは、芸術作品についての自由回答式設問(テーマのためにコード化した)、および標準化された尺度であるマインドフル・アテンション・アウェアネス尺度(MAAS)、状況的自己認識尺度(SSAS)、知覚ストレス質問票(PSQ)を実施した。

結果:学生は、MAAS(p < .01)、SSAS(p < .01)、PSQ(p = 0.046)において、統計的に有意な改善を示した。MAASとSSASの向上は、授業形態に依存しなかった。また、テスト後の自由記述では、今この瞬間への集中力、感情への気づき、創造的な表現力が高まっていることが示された。

結論:このコースは、医学生のマインドフルネス、自己認識、ストレスレベルを有意に改善し、この集団のウェルビーイングの向上とバーンアウトの軽減に、対面式とバーチャル式の両方で利用することが可能である。