医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Impact of COVID-19 on post graduate medical education and training (BMC Med Educ 2021)

Enujioke SC, McBrayer K, Soe KC, Imburgia TM, Robbins C. Impact of COVID-19 on post graduate medical education and training. BMC Med Educ. 2021;21:580.

背景:COVID-19は、世界的に大きな影響を与え、医療に変化をもたらした。本研究の目的は、COVID-19パンデミックが研修生のメンタルヘルスや教育的準備に与える影響を評価することである。

方法:インディアナ大学医学部の研修生を対象に、COVID-19パンデミックが研修に与えた影響について調査した。リッカート尺度を用いて、パンデミック中の教育的準備、メンタルヘルス、臨床作業に関する質問を行った。データはSPSSバージョン27を用いて分析した。なお、本研究は、米国研究機関評価委員会IRB)により免除が承認された。

結果:1204名の研修生のうち324名がアンケートに回答した。回答者は76%が白人で、男性と女性が同じ割合であった。回答者の大半は1年目のレジデントで、2年目、3年目、4年目の研修医が同数であった。また、回答者の23%は、手技系のレジデントまたはフェローシッププログラムに参加していた。教育的準備の良さの認識は、COVID-19期間中のhome-workバランスの改善(β=0.506、p < 0.0001)、COVID-19期間中にメンタルヘルスに焦点を当てることを提唱/支持している診療科があること(β=0.177、p < 0.0001)と関連していた。教育的準備の悪さは、procedural dominant vs non-procedural dominantのトレーニングプログラムに参加していることと関連していた(β = - 0.122, p = 0.01)。

結論:COVID-19は、研修医およびフェローの研修経験に大きな影響を与えた。部署のサポートは、研修生の精神的な幸福度と教育への準備感を高めた。家庭と仕事のライフバランスがとれていると感じている研修生は、同世代の研修生と比較して、教育への準備度が高かった。また、手続き型プログラムの研修生は、非手続き型プログラムの研修生に比べて教育準備能力が低かった。今回の研究では、プログラムが研修生の精神的な健康に配慮しながら、教育的準備能力を高める方法を見つけることの重要性が明らかになりました。