医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Video-assisted self-reflection of resuscitations for resident education and improvement of leadership skills: A pilot study (Perspect Med Educ 2021)

Kava L, Jones K, Ehrman R, Smylie L, McRae M, Dubey E, Reed B, Messman A. Video-assisted self-reflection of resuscitations for resident education and improvement of leadership skills: A pilot study. Perspect Med Educ. 2021 Nov 16. Epub ahead of print.

背景:救急医学(EM)の研修で最も困難なことの1つは、蘇生時に必要なリーダーシップスキルを習得することである。蘇生術のビデオ録画をデブリーフィングに使用することは、卒後医学教育で人気を集めている。しかし、救急部でのリーダーシップスキル向上のためにビデオ技術をどのように利用できるかについての研究は限られている。本研究の目的は、蘇生術のリーダーシップの設定において、ビデオ支援による自己反省の有用性を、自己反省のみの場合と比較して評価することである。

方法:本試験は、3年間のEMレジデントプログラムを有する都市部のレベル1外傷センターで2018年に実施した前向きランダム化比較パイロット試験である。試験には、卒後年次(PGY)2および3のレジデント(n=10)が参加した。各レジデントは、救急部でのリアルタイムのライブ蘇生のために、個々のチームリーダーとして行動した。著者らは、直ちに生命や手足を脅かす病気のプロセスがある場合や、低灌流を示すバイタルサインの異常がある場合に、蘇生と分類した。各レジデントはチームリーダーとして2回記録された。コントロール群、介入群ともに、最初の記録の後、書面による自己反省を行った。介入グループは、蘇生術の記録を見ながら反省文を作成した。振り返りの後、すべての参加者は2回目の蘇生の記録を行った。研究については盲検化された2人の専門家が、レジデントチームリーダーのリーダーシップスキルを測定するために、CALM(Concise Assessment of Leader Management)スケールを用いて各ビデオを採点した。

結果:PGY-3のレジデント5名とPGY-2のレジデント5名が参加した。2人の専門家の間のweighted kappaは0.45(CI 0.34-0.56, p < 0.0001)であった。コントロール群のゲインスコアの中央値は-1.5(IQR)であったのに対し、介入群では0.5(IQR)であった。

結論:ビデオアシストによる自己反省は、ビデオアシストを行わないコントロール群と比較して、蘇生時のレジデントのリーダーシップ評価においてポジティブなゲインスコアの傾向を示した。このツールはEMのレジデントに導入すると有益である。