医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Formal Parental Leave Policies and Trainee Well-Being in US Graduate Medical Education: A Systematic Review (J Grad Med Educ 2024)

Corbisiero MF, Stellern JJ, Kyllo HM, Burnet G, DeSanto K, Christian N, Acker SN. Formal Parental Leave Policies and Trainee Well-Being in US Graduate Medical Education: A Systematic Review. J Grad Med Educ. 2024;16:532-544.

背景:米国の卒後医学教育(GME)プログラム間で育児休暇の方針にばらつきがあることが、レジデントのウェルネスを支援し、レジデントのウェルビーイングのためのベストプラクティスを特定する取り組みを複雑にしている。このレビューの目的は、正式な育児休暇制度が研修生のウェルビーイング、職業的満足感、成績にどのような影響を与えるかを評価することである。

方法:Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta Analyses(PRISMA)2020ガイドラインに従ったシステマティックレビューを実施し、2023年5月にPROSPEROに登録した。検索したデータベースは、MEDLINE、Embase、Cochrane Centralである。米国を拠点とするGMEプログラムの育児休暇方針、およびレジデントおよび/またはフェローへの直接的な影響を評価した研究を対象とした。研究は、2名の独立した査読者によって組み入れのためのスクリーニングが行われ、矛盾がある場合は3人目の著者が解決した。

結果:スクリーニングした1068件の論文のうち、43件が組み入れ基準を満たした。これらの研究では、6週間未満の育児休暇は、研修生におけるバーンアウト産後うつ病の割合が高いことと関連していることが強調された。育児休暇の取得がプログラムの離職率を増加させるという証拠はなかった。しかし、3つの研究では、休暇を取得した結果、研修生の3分の1以上が研修を延長したと報告していた。8週間以上の育児休暇を取得した研修生は、8週間未満の研修生に比べて、出産から6ヵ月後の母乳育児がうまくいったと報告している。

結論:特に6週間を超える育児休暇の延長は、研修生のウェルビーイングと職業的満足度を向上させた。研修生の視点に基づくと、理想的な育児休暇制度は、最低6週間から8週間の休暇を提供し、公式で明確に書かれた方針を利用できることである。