医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Time to Publication in Medical Education Journals: An Analysis of Publication Timelines During COVID-19 (2019-2022) (Perspect Med Educ 2024)

Maggio LA, Costello JA, Brown KR, Artino AR Jr, Durning SJ, Ma TL. Time to Publication in Medical Education Journals: An Analysis of Publication Timelines During COVID-19 (2019-2022). Perspect Med Educ. 2024;13:507-517.

背景:COVID-19は学術出版に変化をもたらした。しかし、医学教育出版への影響については研究されていない。学術論文とその出版スケジュールは学術的成功に影響を与える可能性があるため、この分野では学術生産性に対する根拠に基づく期待を設定するために、最新の出版スケジュールが必要とされている。本研究では、次の研究課題に対する答えを導き出そうとしている:出版スケジュールはCOVID-19の発生前後で著しく変化したのか、また、変化したとすれば、どのように変化したのか?

方法:我々は計量書誌学的研究を実施した。サンプルには、2018年1月から2022年12月の間に発表された医学教育ジャーナルリスト24(MEJ-24)に掲載された論文が含まれた。論文を3つの時間ベースのグループ(COVID前、COVIDオーバーラップ、COVIDエンデミック)と、2つの主題ベースのグループ(COVIDに関するもの、COVIDに関するものでないもの)に分類しました。各論文のメタデータをNational Library of Medicineからダウンロードし、記述統計、分散分析、事後検定を用いてデータを分析し、グループ間の平均時間差を比較した。

結果:全体として、出版までの期間は平均300.8日(標準偏差 = 200.8)であった。One-way between-groups ANOVAでは、3つの時間に基づくグループ間に有意差が認められたF (2, 7473) = 2150.7, p < .001。事後比較では、COVIDオーバーラップの記事 (n = 1470, M= 539; SD = 210.6)は、COVID以前(n = 1 281; M = 302; SD = 172.5)およびCOVIDエンデミックの論文(n = 4725; M = 226; SD = 136.5)と比較して、有意に長い時間を要したことが示された。注目すべきは、COVIDエンデミックの論文は、パンデミック前の論文よりも有意に短い時間で出版されたことである(p < .001)。

結論:COVIDオーバーラップの論文では、出版までの期間が最も長かった。COVIDエンデミックの論文の出版までの期間は短縮されている。今後の研究では、出版までの期間の変化が医学教育の研究にどのような影響を与えたかを調査する必要がある。