医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Strategies to Support Faculty Caregivers at U.S. Medical Schools (Acad Med 2023)

Cutter CM, Szczygiel LA, Jones RD, Perry L, Mangurian C, Jagsi R. Strategies to Support Faculty Caregivers at U.S. Medical Schools. Acad Med. 2023 May 29. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、COVID-19パンデミックの発生前と発生後の米国メディカルスクールにおける教員の介護者支援のための方針、プロセス、プログラムについて説明することである。

方法:2021年、ドリス・デューク慈善財団とCOVID-19 Fund to Retain Clinical Scientists (FRCS) Collaborativeの創設メンバーは、COVID-19 FRCSプログラムを立ち上げ支援した。これは、COVID-19関連の影響のなかで、家族介護の責任を負う生物医学教員を支援する方針、プロセスおよびプログラムを強化する医学部とその努力を評価するためのプログラムである。著者らは、COVID-19 FRCSプログラムへの申請時に各機関から提出された非識別の自由形式回答を質的概念コンテンツ分析し、報告された戦略を、繰り返し現れるパターンや共通のアプローチを使って要約した。

結果:54機関が2021年にCOVID-19 FRCSプログラムに申請し、本調査に含まれた。COVID-19に関連する生物医学系教員への影響としては、キャリアアップと学術的生産性の阻害、キャリアと介護の時間的葛藤の悪化、家族・個人のウェルビーイングと精神衛生への悪影響、経済的苦労の増加、教員介護者のスティグマの増幅が挙げられた。教員介護者を支援するためのポリシー、プロセス、プログラムは、扶養家族への支援、キャリアと職場の柔軟性、キャリア開発支援、スティグマを軽減するための組織文化の変化の4つのドメインに分類されていた。COVID-19に関連する修正は、これらのドメインにまたがっており、リモートワークやフレキシブルワークは破壊的な変化として現れていた。介護の責任を不釣り合いに負う女性や医学部未満の教員を支援するための戦略は、キャリア開発支援と組織文化の変革に重点を置いていた。制定された変化の持続性は、機関や戦略によって異なっていた。

結論:COVID-19パンデミックは、教員の介護者、特に女性や医学部で十分な経験を積んでいない教員をよりよく支援するために、学んだ教訓を前向きな変化につなげる破壊的な機会を提供している。本研究の結果は、学術的な生物医学の労働力における公平性、多様性、活力を支援するための持続可能な変化を導くための枠組みを提供するものである。