Raffa BJ, Muellers KA, Andreadis K, Ancker JS, Flower KB, Horowitz CR, Kaushal R, Lin JJ. A Qualitative Study on Using Telemedicine for Precepting and Teaching in the Academic Setting. Acad Med. 2023 Jun 5. Epub ahead of print.
背景:本研究の目的は、COVID-19パンデミック時のプリセプターと患者の間で、遠隔診療の利用がプリセプティングとティーチングに与える影響を検討することである。
方法:著者らは、4つの学術医療センターにおける医療者と患者の遠隔医療に関する経験と態度に焦点を当てた質的研究の二次分析を行った。ティーチングとプリセプティングはデータから出現したコードであり、テーマに整理した。テーマは、2009年に発表されたConsolidated Framework for Implementation Research(CFIR)のドメインにマッピングされた。CFIRは、効果的な実施を支援する枠組みで、介入の特徴、外側の設定、内側の設定、個人の特徴、プロセスの5つのドメインからなる。
結果:患者65名と医療従事者21名を対象に、合計86回のインタビューが行われた。9人の医療従事者と3人の患者が、遠隔医療を用いたティーチングやプリセプティングに関連する説明を行った。CFIRの5つのドメインにまたがる8つのテーマが特定され、個人の特性、プロセス、介入の特性というドメインに大半のテーマ(n = 6)が含まれていた。医療従事者と患者は、パンデミック前の遠隔医療経験の不足と、遠隔医療を用いたpreceptやteachのための不十分なプロセスが、学習環境とケアの質の認識にどのような影響を及ぼすかについて述べた。また、遠隔医療がレジデントの継続性を維持するうえで、既存の困難をどのように悪化させたかについても議論した。研修生と同じ部屋にいるときはマスクを着用し、カメラの届く範囲に座る必要があったこと、また、アテンディングのカメラを外した状態で研修生を観察できる利点など、パンデミック時の遠隔医療利用によるコミュニケーションの変化について、医療従事者は述べた。医療従事者は、遠隔医療を用いた教育や指導のための保護された仕組みや時間がないことを表明し、遠隔医療は今後も続くという一般的な見解を示した。
結論:遠隔診療を卒前および卒後の医学教育に最適に組み込むために、遠隔診療のスキルに関する知識を増やし、教育現場で遠隔診療を実施するプロセスを改善することに力を入れるべきである。