医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Impact of performance and information feedback on medical interns' confidence-accuracy calibration (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2023)

Staal J, Katarya K, Speelman M, Brand R, Alsma J, Sloane J, Van den Broek WW, Zwaan L. Impact of performance and information feedback on medical interns' confidence-accuracy calibration. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Jun 17. Epub ahead of print.

背景:診断エラーは、予防可能な患者安全上の大きな問題である。エラーへの介入は、受診したすべての患者に対して実施することは不可能である。エラーのリスクが高い症例を特定するためには、臨床医が認識する精度と実際の精度の間に良好なキャリブレーションを持つ必要がある。この実験では、医療インターンキャリブレーションと診断プロセスに対するフィードバックの影響を調査した。

方法:2相の実験で、オランダの大学医療センターの125人の医学インターンが、フィードバック相で診断した20枚の胸部X線について、フィードバックなし(コントロール)、自分の精度に関するフィードバック(パフォーマンスフィードバック)、ある診断が正しい理由に関する追加情報付きフィードバック(情報フィードバック)を受けるようにランダム化した。その直後にテスト段階があり、インターン全員がフィードバックなしでさらに10枚のX線写真を診断した。成果指標は、信頼度-精度キャリブレーション、診断精度、信頼度、診断にかかる時間であった。

結果:どちらのタイプのフィードバックも、診断精度と自信の個人的な改善と同様に、全体の自信-精度キャリブレーションを改善した(R2No Feedback = 0.05, R2Performance Feedback = 0.12, R2Information Feedback = 0.19).また、症例の難易度がキャリブレーションにどのような影響を与えるかを調べるための二次分析も報告する。診断にかかる時間は、条件間で差がなかった。

結論:フィードバックはインターンキャリブレーションを改善した。しかし、この改善は、より良い信頼性の推定を反映しているのか、精度の改善を反映しているのかは不明である。今後の研究では、より経験豊富な参加者や非視覚的な専門分野についても検討する必要がある。今回の結果から、フィードバックは効果的な介入であり、特に学習者にとってあまり難しくないケースにおいて、キャリブレーションを改善するツールとして有益であることが示唆された。