医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A virtual training program for improving cultural competence among academic nurse educators (BMC Med Educ 2023)

Rahimi M, Khodabandeh Shahraki S, Fatehi F, Farokhzadian J. A virtual training program for improving cultural competence among academic nurse educators. BMC Med Educ. 2023;23:445.

背景:毎日、看護学生は文化的に多様なクライアントと接している。看護教育は、文化的能力 (cultural competenct)が看護プログラムの必要なアウトカムであることを認識している。看護教育者は、すべての看護学生が多文化なクライアントに文化的に調和したケアを提供することを期待している。それゆえ、看護教育者は、文化的コンピテンシーのある看護学生を臨床実践のために準備するために、文化的コンピテンシーを備えていなければならない。本研究は、バーチャル研修プログラムが学術看護教育者の文化的能力に及ぼす影響を評価することを目的とした。

方法:本研究は、イラン南東部ケルマン州の医科大学付属の6つの看護学校に勤務する看護教育者を対象としたランダム化比較研究である。69名の看護教育者が介入群(n = 35)とコントロール群(n = 34)にランダムに割り当てられた。研修プログラムは、2時間のセッションを3回、1ヶ月間行うものであった。バーチャルトレーニングの実施前と実施1ヵ月後に、教育者の文化的能力を評価するために、Cultural Diversity Questionnaire for Nurse Educators Revised (CDQNE-R)が使用された。

結果:介入群(3.29±0.58)とコントロール群(3.24±0.58)はともに、トレーニングプログラム前に同程度の文化的能力を示した(t = 0.05, p = 0.95)。トレーニング後、介入群はコントロール群(3.23±0.67)と比較して、文化的コンピテンシーが有意に向上した(3.80±0.7)ことが示された。この改善は、大きな効果量(t = -4.76, p = 0.001)によって証明されるように、文化的能力のある参加者が文化的に熟達する結果となった。

結論:バーチャルトレーニングプログラムは、看護教育者の文化的能力にプラスの影響を与えた。看護教育における文化的能力の重要性を考慮すると、看護教育者の文化的能力の強化に焦点を当てた継続教育プログラムは優先されるべきものである。バーチャルトレーニングプログラムの実施から得られた経験は、文化的能力の強化を目指す看護教育者にとって貴重なリソースとなり得る。