医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Ready, set, go! Evaluating readiness to implement competency-based medical education (Med Teach 2022)

Cheung WJ, Hall AK, Skutovich A, Brzezina S, Dalseg TR, Oswald A, Cooke LJ, Van Melle E, Hamstra SJ, Frank JR. Ready, set, go! Evaluating readiness to implement competency-based medical education. Med Teach. 2022;44:886-892.

背景:イノベーションを成功裏に実施するためには、組織としての準備態勢が重要である。我々は、カナダの卒後研修プログラムにおいて、コンピテンシーに基づく医学教育(CBME)のモデルであるCompetence by Design(CBD)を導入するためのプログラムの準備態勢を評価した。

方法:2019年のCBD実施の1か月前にプログラム責任者へのアンケートを配布した。質問は、組織的準備のR = MC2フレームワークに基づいており、プログラムの動機、変化に対する一般的な能力、およびイノベーション特有の能力について扱った。総合的なレディネス・スコアが算出された。分野間の総合的なレディネスを比較するためにANOVAを実施した。

結果:調査の回答率は42%であった(n = 79)。総合的な準備態勢の平均得点は74%(30~98%)であった。分野間の得点に差はなかった。回答者の大多数は、CBD の成功的な導入が優先事項であることに同意し(74%)、指導者 (94%)および教員とレジデント(87%)が変化を支持していることに同意していた。CBDは正しい方向への動きである(58%)、実施は管理可能な変化である(53%)と認識している人は少なかった。カリキュラムのマッピング、コンピテンス委員会、プログラムの評価活動は90%以上のプログラムで完了していたが、50%以下のプログラムではサービス外の分野も関与していた。

結論:本研究では、CBDの実施に向けた準備において優れたプログラムが存在する重要な領域と、CBD実施に向けたプログラムの準備状態を改善するための今後の介入目標となる共通の課題を明らかにした。