医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

'For the most part it works': Exploring how authors navigate peer review feedback (Med Educ 2022)

Watling C, Shaw J, Field E, Ginsburg S. 'For the most part it works': Exploring how authors navigate peer review feedback. Med Educ. 2022 Aug 28. Epub ahead of print.

背景:査読は、研究者が研究を改善するために有意義なフィードバックを提供することを目的としているが、フィードバックのやりとりには特に困難な状況が伴う。我々は、フィードバックが効果的であるために必要であると考えられているいくつかの条件が満たされない場合に、フィードバックがどのように機能するかを詳しく調べるために、研究著者が査読のフィードバックを解釈し応答するプロセスをナビゲートする方法を探究する。

方法:構成主義的グラウンデッド・セオリー手法により、最近出版された医療専門教育研究者17名に、査読プロセスの経験についてインタビューを行った。データ収集と分析は同時進行で繰り返し行われた。テーマを特定するために定比較を行い、この環境においてフィードバックがどのように機能するかについての概念モデルを構築した。

結果:参加者は査読への信頼を表明する一方で、そのプロセスが感情的に試練であることを認め、その一貫性と信頼性についての懸念を提起した。これらの潜在的な脅威は、時間、チームのサポート、経験、自律性の発揮などの要因によって軽減された。さらに、査読者の関与が感じられ、プロセスを取り巻く文化的規範と期待が、著者の意欲と生産的に対応する能力を強化した。我々の分析は、フィードバックの有用性が、脅威と対策のバランスによって決まるというモデルを示唆している。

結論:フィードバックはバランスをとる行為である。査読のフィードバックを生産的に取り込むことに対する脅威があふれているが、これらの脅威は、さまざまな対策によって中和される可能性がある。そのなかでも、フィードバックに関わる専門的責任とそれを行う挑戦の両方に関する自律性と文化的規範化の機会は、特に影響力があり、査読の場を超えて影響を及ぼす可能性がある。