医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Problem representation and diagnostic accuracy during an OSCE (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

Valentine J, Tackett S, Bord S, Zink K, Botta J, Jung J. Problem representation and diagnostic accuracy during an OSCE. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Jul 20. Epub ahead of print.

背景:The National Academy of Medicineは、「診断プロセスを改善する機会を特定する」ことを求めている。我々は、客観的構造化臨床試験(OSCE)中の問題表現と診断精度の関連性を調査した。

方法:10症例のOSCE中に非ランダム化対照試験を実施した。要約文のプロンプトが、学生が正しい診断を記載する可能性を高めるかどうか、また、より良い要約文が診断の正確さと相関するかどうかを測定した。

結果:114名の学生から1135件の回答があった。プロンプトを用いない対照群からは631件の回答が得られ、73%の確率で正しい診断を最初に、85%の確率で上位3位までに記載することができた。プロンプトを提示された介入群では、453件の回答が得られ、72%の確率で正しい診断を最初に挙げ(P = 0.617)、84%の確率で上位3つの枠に入った(P = 0.760)。要約文は、0点、0.5点、1点のルーブリックで採点された。要約文の点数によってグループ分けすると、学生はそれぞれ74%、70%、72%の確率で正しい診断を最初に挙げていた(P = 0.666)。また,正しい診断名が上位3位までに含まれる率は88%,82%,83%であった(P = 0.238)。

結論:要約文を作成するよう学生に促しても、診断の正確さは向上しなかった。より良い要約文は診断の正確さと相関がなかった。