医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Advance care planning among older adults of Moroccan origin: An interview-based study (Patient Educ Couns 2023)

Demirkapu H, Hajji R, Chater B, De Maesschalck S, Van den Block L, De Vleminck A, Devroey D. Advance care planning among older adults of Moroccan origin: An interview-based study. Patient Educ Couns. 2023 May 13;113:107794. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、ベルギーのモロッコ人高齢者のadvance care planning (ACP)関連の知識、経験、見解、促進要因、障壁を調査することである。

方法:general practitioners (GPs)が参加者を募り、半構造化面接を行った。データは、定比較法を用いて分析された。

結果:25人のインタビュー対象者(平均年齢74歳)は、ACPの知識がなく、医療従事者と話し合ったことがなかった。簡単な説明の後では、ほとんどのインタビュー対象者はACPが有用であるとは思わなかった。具体的な例を挙げて説明したところ、宗教的な反対は少なくなり、GPsや親族との話し合いに積極的になった。ACPの障壁は、知識不足、現在の健康状態、死について話すことの害の可能性、ケアの決定権を持つ子供への信頼、子供を心配させることへの恐れであった。促進要因としては、GPsの情報提供、ACPの議論への子どもの参加、子どもに頼りたくないという願望が挙げられた。

結論:モロッコ人高齢者の多くは、知識が不足していたが、理解しやすい具体的な情報を得ることで、ACPについて話し合おうという意思を持った。GPsは、これらの患者に対して、障壁、個人の好み、一般的に低い教育レベルを考慮し、理想的には成人した子供を巻き込んで、ACPの話し合いを促進すべきである。GPsは、事例を交えたわかりやすいACP情報を提供し、このグループにおける潜在的な障壁と促進因子を考慮すべきである。