Wang CY, Chen S, Huang MY. Exploring medical students' metacognitive and regulatory dimensions of diagnostic problem solving. Med Educ Online. 2023;28:2210804.
背景:臨床問題を解決するためには、領域固有の医学的知識や推論に必要な認知スキルを適用するだけでなく、自分の思考プロセスを意識的に認識し、監視し、評価すること(すなわち、メタ認知)が必要である。本研究の目的は、臨床問題解決に重要なメタ認知の次元をマッピングし、それらの間の構造的関係を探ることで、効果的な介入のための概念的枠組みやより良い教育法を構築することにある。
方法:臨床問題の学習と解決に不可欠なメタ認知スキルを把握するために、分野別一般的なinstrumentから、文脈固有性のinventoryを適応・修正した。このinventoryは、医学部生72名を対象に、認知に関する知識、目的、問題表現、モニタリング、評価の5つの側面からその能力を調査するために実施された。さらに、部分最小二乗構造方程式モデリングにより、これらの次元間の相互作用を検討した。
結果:その結果、医学生は、長年の医学教育や現場での訓練を受けても、専門家としての能力、メタ認知能力、調節能力が不足していることが明らかになった。特に、ある問題に対して全体的な理解ができたかどうかがわからないということであった。また、診断の手順が明確でないことが多く、診断の推論中に自分の思考を同時にモニターすることもない。さらに、彼らの自己改善アプローチの欠如は、彼らの学習を悪化させるようであった。最後に、構造方程式モデルにより、認知と目標に関する知識が問題表現を有意に予測することが示され、医学学習者の認知と学習目標が、目の前の臨床問題を組み立てるうえで影響力を持つことが示唆された。また、問題表現→モニタリング→評価という有意な線形予測経路が観察され、臨床問題解決の連続的なプロセスの可能性が示唆された。