医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Factors associated with changes in students' self-reported nursing competence after clinical rotations: a quantitative cohort study (BMC Med Educ 2023)

Egilsdottir HÖ, Heyn LG, Falk RS, Brembo EA, Byermoen KR, Moen A, Eide H. Factors associated with changes in students' self-reported nursing competence after clinical rotations: a quantitative cohort study. BMC Med Educ. 2023;23:107.

背景:さまざまなヘルスケア状況における看護ケアの質は、利用可能な看護能力のレベルと関連する可能性がある。フィジカルアセスメントのスキルは、看護師が患者のケアの必要性を評価するうえで不可欠である。しかし、看護教育において、フィジカルアセスメントスキルの使用は、看護学生にとって困難であり、臨床ローテーションにおいてこれらのスキルを包括的に適用することに苦労している。そこで、本研究では、看護能力の変化、臨床ローテーション後の変化に関連する要因、およびモバイル学習ツールが基本的なフィジカルアセスメントスキルを自信を持って使用することの変化をサポートするかどうかを調査する。

方法:探索的な事前・事後テストデザインによる量的コホート研究。2019年秋から2020年春にかけて、看護学科2年生72名、3年生99名が本研究に参加した。学生の自己申告による看護能力の変化を調べるためにNurse Professional Competence scale short formを用い、フィジカルアセスメントの実施に関する学生の自信を調べるために研究専用質問紙を用いた。学生は、フィジカルアセスメントの学習にSuite of Mobile Learning Toolsを自主的に使用した。線形回帰分析を用いて、臨床ローテーション後の看護能力の変化に関連する因子を同定した。研究報告については、コホート研究のためのSTROBEガイドラインに従った。

結果:臨床ローテーションの後、両方の学生グループは、フィジカルアセスメントのスキルを行う際の看護能力と自信の変化を報告し、すべての領域で統計的に有意な中程度または大きな変化があった。また、Suite of Mobile Learning Toolsはフィジカルアセスメントの学習に有用であると評価された。回帰分析の結果、フィジカルアセスメントのスキルを行う自信、Suite of Mobile Learning Toolsの有用性、および臨床ローテーション開始時の看護能力の高さは、総合的な看護能力と正の相関があることが示された。

結論:基本的なフィジカルアセスメントスキルは、看護能力の重要な要素であり、Fundamentals of Careのフレームワークで提唱されているように、人を中心としたケアの柱の1つと考えることができる。アセスメントスキルの使用に対する学生の自信を高めるための教育的アプローチとして,間隔を置いた反復学習とデジタル資料へのアクセスが提案された。