Liu J, Li S. An ethnographic investigation of medical students' cultural competence development in clinical placements. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Nov 12. Epub ahead of print.
背景:文化が健康や医療に与える影響についての理解が深まった結果、多くの医療プログラムに文化的能力 (cultural competence)と多様性のカリキュラムが取り入れられるようになってきた。しかし、学生が研修中にどのように文化的能力を身につけるかについては、ほとんど知られていない。
方法:このエスノグラフィックなケーススタディでは、参加者観察、インタビュー、フォーカスグループを組み合わせて、臨床実習中に文化的能力を開発する際の学生の見解と経験を理解することを目的とした。
結果:学生の文化的能力の育成は、4つの特徴的でありながら相互に関連する学習経路を経由した、個々に多様なプロセスであることが明らかになった。多様な医療環境に身を置くことは、学生の文化的認識と知識の発達に寄与する。文化的に適切または不適切な医療行為を観察することで、学生は実践的なスキルと批判的な考察を高めることができる。他の臨床専門家、患者やその家族との交流により、学生は多忙な臨床実習に参加することができる。また、省察により、文化が健康に与える影響について積極的に考え、文化的能力の重要性を認識することができるようになる。各手段を通じた学生の学習は、相互に関連し、常に学習環境と相互作用し、それが総合的に学生の成長に寄与している。これらの結果を統合することで、著者らは、医学生の臨床実習における文化的能力の発達を概念化する理論モデルを生成することができ、それは非公式かつ隠れたカリキュラムのなかでの学生の文化的学習を掘り起こすものであった。
結論:本研究は、臨床実習における学生の文化的能力の発達に関する珍しい見解を提供し、医学・医療における文化的能力および多様性教育の教育学的発展に寄与することが期待される。