医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Overwork among resident physicians: national questionnaire survey results (BMC Med Educ 2022)

Ishikawa M. Overwork among resident physicians: national questionnaire survey results. BMC Med Educ. 2022;22:729.

背景:レジデントは医師のなかで最も長い労働時間を経験している。そのため、レジデントの長時間労働の実態と労働時間の上限規制を促す背景要因について、日本全国で調査することが有益であると考えられる。本研究の目的は、医師の長時間労働の実態とその背景要因について、質問紙調査により調査・評価することである。

方法:924病院に調査を送った。医師の一般属性、労働時間・条件、雇用者の基盤的な存在について探った。また、長時間労働の背景要因を明らかにするために、多重ロジスティック回帰分析を行った。

結果:回答したレジデント4306名のうち、67%が60時間以上/週、27%が80時間以上/週、51%が4回以上/月オンコールであった。報酬アップを希望する人が多かった。さらに、女性(ref:男性、OR:0.65、95%CI:0.55-0.76)、35-40歳(ref:25-30歳、OR:1.83、95%CI:1.32-2.54)、子なし(ref:子あり、OR:1.41、95%CI:1.12-1.75)、外科専門(ref:内科、OR:2.51。 51、95%CI:1.96-3.23)、脳神経外科専門(ref:内科、OR:4.38、95%CI:2.92-6.59)、医師数200-400人の病院(ref:医師数100人未満、OR:1.82、95%CI:1.12-2.96)は80以上の院内時間/週と有意な相関を示した。

結論:レジデントの超長時間労働の可能性を高める要因を理解することは、特定の懸念に対処するために的を絞った変更を行うのに役立つ可能性がある。さらに、労働時間を合理的な範囲に短縮することは、レジデントの健康とコミュニティで提供するケアの質を向上させることができる。