Moldestad M, Sayre G, Rinne S, Kaboli PJ, Reddy A, Sanders KM, Mao J, Henrikson NB, Sterling R, Nelson KM, Wong ES. Perspectives on Training and Working in the VHA: Implications for Primary Care Physician Recruitment and Retention. Acad Med. 2022 Feb 8. Epub ahead of print.
背景:米国におけるプライマリーケア医師不足は、十分なプライマリーケア人材を維持しようとする医療機関にとって大きな課題となっている。Veterans Health Administration (VHA)でのプライマリーケアの研修や勤務に関する視点は、VHAや他の医療機関がプライマリーケア医師にとってより魅力的になるための戦略的採用のための洞察をもたらすかもしれない。著者らは、VHAのプライマリケアでの在職期間が限られているレジデントやスタッフ医師の経験を理解し、医療機関が採用と維持を改善する際の指針となる要因を特定することを目指した。
方法:この定性的探索的研究は、2018年6月から2019年10月にかけて、VHAプライマリーケアの内科レジデント24名とスタッフ医師30名を対象に実施された。各コホート内の地理的地域、地方、および性別についてサンプリングを行い、異質性を確保した。著者らは、VHAおよび非VHAサイトでの研修および雇用の好みに関する観点を確認するために、半構造化インタビューを実施した。調査結果は、複合的な内容分析によって得られた。
結果:以下の4点が共通の価値とVHAミッション駆動型文化を中心とした重要テーマとして同定された。1. VHAの「コミュニティ」はユニークで仕事の満足度に大きく寄与していると認識されていること。 2. 施設レベルのリーダーシップのサポートはハラスメントに関する職場文化の認識にとって重要であること。 3. VHAのプライマリーケア提供モデルはレジデントやスタッフ医師が患者に必要なケアを提供できるようにしているが必ずしもその潜在能力を発揮しているとは言えないこと。 4. VHAの雇用は予想以上に良いが採用までのプロセスが困難であること。
結論:ミッションと職場文化は、医師志望者にとっての医療システムの望ましいあり方や、これらのシステムで働く医師の仕事の満足度において重要な役割を果たすと思われる。これらの属性に基づいた医師採用活動は、十分な医師労働力を維持するうえで最も成功する可能性がある。