医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A cross-sectional study examining MRCS performance by core surgical training location (Med Teach 2021)

Ellis R, Cleland J, Lee AJ, Scrimgeour DSG, Brennan PA. A cross-sectional study examining MRCS performance by core surgical training location. Med Teach. 2021 Nov 2:1-6. Epub ahead of print.

背景:英国では、初期キャリアの外科医が最初に経験する専門分野はコア・サージカル・トレーニング(CST)であるが、トレーニング内容はdeaneryによって大きく異なる。このような違いが研修生の成績に与える影響を明らかにするために、我々は、Membership of the Royal College of Surgeons (MRCS)試験での成功がCST deaneryと関連するかどうかを評価した。

方法:2014年から2020年の間にMRCSに挑戦した英国のCSTの研修生 (n = 1104)を対象とした後ろ向きコホート研究。カイ二乗検定により、地域性とMRCS初回受験時の成績との関連を調べた。多変量ロジスティック回帰モデルにより、CST deaneryに応じたMRCS成功の可能性を特定した。

結果:MRCS Part AとPart Bの合格率はCST deaneryと関連していた (各々p < 0.001とp = 0.013)。Thames Valley(Odds Ratio [OR] 2.52 (1.00-6.42))、North Central and East London(OR 2.37 (1.04-5.40))、South London(OR 2.36 (1.09-5.10))で研修を受けた候補者は、それぞれMRCS Part Aの初回受験での合格率が2倍以上であった。北部中央と東部ロンドンの研修生は、MRCSパートBを一回で合格する確率が10倍以上高かった(OR 10.59 (1.23-51.00))。しかし、受験者の68%がCSTの前にパートAを受験し、48%がCSTの前または1年目にパートBを受験していた。

結論:MRCSの成績はCST deaneryと関連している。しかし、多くの受験者はCSTの経験がほとんどない状態で試験に合格しており、一部のdeaneryが高い学業成績を収めていることを示唆している。したがって、MRCSの成績はCST研修の質を示す適切な指標ではない。