医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Narrative Inquiry Into Nursing Care of Pregnant Women and Families in Specialized Fetal Diagnosis and Treatment Settings (J Obstet Gynecol Neonatal Nurs 2021)

Wilpers A, Bahtiyar MO, Wall D, Kobler K, Sadler L, Dixon J, Kennedy HP. Narrative Inquiry Into Nursing Care of Pregnant Women and Families in Specialized Fetal Diagnosis and Treatment Settings. J Obstet Gynecol Neonatal Nurs. 2021 Aug 30:S0884-2175(21)00228-8. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、胎児の診断と治療を専門とする現場で、看護師が女性や家族へのケアについてどのように説明しているかを調べることである。

方法:designは、narrative inquiry。settingは、安全なオンライン調査プラットフォーム。参加者は、胎児の診断と治療という新たな分野における看護実践の本質的な構造、プロセス、成果、および課題に関する事前のデルファイ調査のサブサンプルとして、胎児治療看護師ネットワークから26名の看護師を募集した。
参加者から提供されたストーリーを解釈するために、narrative inquiryとClandininの三次元的ナラティブ分析 (Clandinin's three-dimensional space narrative analysis)を用いて、参加者の実践と、その実践とケアの質や健康アウトカムとの関係を説明した。

結果:参加者は、出生前の介入(胎児の異常を治療するための母体・胎児手術)、出生後の介入(新生児手術)、周産期の緩和ケア(生命を脅かす胎児診断後の妊娠継続)という3つの主要なタイプの胎児診断と管理のシナリオを説明した。その結果、看護プロセスに関する3つの包括的なテーマが明らかになった。「A Sounding Board: 妊娠中の女性と家族へのカウンセリング」、「A Care Coordinator: 複雑な旅の指揮を執る」、「A Constant Presence: 妊娠中の女性と家族に寄り添う」である。また、看護ケアに関する具体的な成果を明らかにした。

結論:先行研究を発展させ、胎児の診断と治療の場における看護実践モデルの概念化を進めるために、narrative inquiryを用いた。この結果は、看護実践をケアの質やアウトカムに結びつける理論を、臨床実践の場で検証し始めるための基礎となるものである。進化・拡大するケアを包括的に評価し、向上させるためには、看護実践の即時的・長期的な効果を明らかにする必要がある。