Svensberg K, Kalleberg BG, Rosvold EO, Mathiesen L, Wøien H, Hove LH, Andersen R, Waaktaar T, Schultz H, Sveaass N, Hellesö R. Interprofessional education on complex patients in nursing homes: a focus group study. BMC Med Educ. 2021;21:504.
背景:人口の高齢化に伴い、multi-morbidityやポリファーマシーが増加している。そのため、患者の複雑なニーズを満たすためには、包括的でinterprofessionalなアプローチが必要となる。本研究では、graduate studentがnursing homeで複雑な患者のケアニーズに対応するために、interprofessionalなチームで実務実習を行った際の経験を紹介する。
方法:ノルウェーのオスロ大学で、高齢者看護学、臨床栄養学、歯科学、医学、薬学を専攻する学生をグループに分け、コースのなかでnursing homeの患者のケアプランを検討・作成した。フォーカスグループが用いられ、4つのグループに21人のgraduate studentが参加した。データは2018年春に収集され、テーマ分析法(Systematic Text Condensation)にしたがって帰納的に分析された。データを深く理解するために、コーディネーション・プラクティスの分析フレームワークを適用した。
結果:3つのテーマが特定された。すなわち、1)学習機会としての複雑な患者-将来のinterprofessionalな連携のためのeye-openerとなる、2)クモの巣のような関係性、3)新たな集合知のための構造的な促進要因である。Graduate university studentsは、nursing homeでの複雑な患者に対するinterprofessional education (IPE)を、包括的な学習の場として経験した。全体的に、学生間で仕事の組織化のための異なる調整方法が確認された。
結論:nursing homeでのIPEは、患者に対する断片的なアプローチから、患者ケアを向上させ、IPEの理解を深めることができる関係的かつ協調的な実践へと、学生のスコープを広げることを促進した。また、この研究では、経験から最大限の利益を得るために、チームワークの準備トレーニングの必要性が示された。これは、教育機関が段階的な学習モジュールや、interprofessionalなチームワークに関するオンラインの事前研修コースとして組織することができる。さらに、教育機関による活動のプロセスをよく考え、学生のカリキュラムに実践的な要素を組み込むタイミングを計る必要性にも注目している。これにより、学生がより効率的にIPEを体験できるようになるだろう。