医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Developing new possibilities for interprofessional learning- students' experience of learning together in the ambulance service (BMC Med Educ 2022)

Conte H, Wihlborg J, Lindström V. Developing new possibilities for interprofessional learning- students' experience of learning together in the ambulance service. BMC Med Educ. 2022;22:192.

背景:設定と文脈が重要であり、文脈的要因が専門職間教育(IPE)に影響を与えることが知られている。したがって、新しい環境で開発された活動は、学生の経験や学習を判断するために評価されるべきである。救急医療におけるIPEは、専門職間学習(IPL)にとって新しい環境となる可能性がある。本研究の目的は、救急サービスでの臨床ローテーションにおいて、卒前学生が共同作業や共同学習について経験したことを調査することであった。

方法:2019年秋の救急サービスでの臨床ローテーションにおける看護学生と医学生の協働と学び合いの経験を記述するために、混合収束パラレルデザイン (mixed convergent parallel design)を使用した。看護学生(n = 20、回答率80%)には2回のグループインタビューを実施し、医学生(n = 40、回答率72.5%)にはIPEに関する自己評価アンケートに回答してもらった。グループディスカッションを帰納的テーマ分析で分析し、記述統計学を用いて、医学生が自己評価した専門職間連携における経験やコンピテンシーについて説明した。

結果:救急サービスという文脈では、チームは日々変化すること、予測不可能な状況であること、限られたサポートのもとで様々な状況下で意思決定を求められることなどが課題として挙げられた。また、様々な状況に直面し、ケアの連鎖を通して患者をフォローする機会があるため、共に学ぶ良い機会であった。

結論:学生たちの経験は、救急サービスがIPLの可能性をもたらすことを示している。救急サービスは、学生にとって不慣れな環境での学習を促進し、医療サービスの他の部分で時に見られるような確立された階層構造や固定観念にとらわれず、共同学習戦略や状況に応じたリーダーシップを開発するよう促した。