医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Sociomaterial perspective as applied in interprofessional education and collaborative practice: a scoping review (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2023)

Sy M, Siongco KL, Pineda RC, Canalita R, Xyrichis A. Sociomaterial perspective as applied in interprofessional education and collaborative practice: a scoping review. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Aug 30. Epub ahead of print.

背景:今日、より良い健康アウトカムに向けて共に学び、共に働くことはより複雑になっており、多職種連携教育(IPE)と多職種連携(IPC)の実践をどのように維持し、さらに発展させることができるかを調査する必要がある。社会物質的な視点 (sociomaterial perspective)を通して、学習と協働の物質的な側面を前景化し、人間とその相互作用との関係を検討することで、IPEとIPCの実践をよりよく理解することができる。本稿は、IPEとIPCにおける社会物質的視点の適用について論じた既存の文献を調査することを目的とした。

方法:IPEとIPCの実践において社会物質的視点がどのように適用されるかを議論する現在の知識体系の範囲を探るために、ArkseyとO'Malleyの枠組みに従ってスコーピング・レビューを行った。2007年以降に出版された文献を検索するため、2021年9月に系統的なデータベース検索が行われ、43の論文が包含基準を満たした。これらの論文には、研究論文、書籍の章、学会発表論文、解説が含まれ、大半がヨーロッパ発のものであった。

結果:テーマ分析の結果、以下のテーマが明らかになった:(1)IPEとIPCを形成する社会物質的存在としての権力、(2)IPEとIPCの実践を再考するうえでの非医療専門家の包摂、(3)社会物質性の批判的理解。

結論:この知見は、社会物質的な視点が、interprofessionalismの現代的で未来的な実践の再構築を可能にすることを示唆している。