医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

'Making room for student autonomy' - an ethnographic study of student participation in clinical work (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

Kjær LB, Strand P, Christensen MK. 'Making room for student autonomy' - an ethnographic study of student participation in clinical work. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Jul 27. Epub ahead of print.

背景:臨床業務への参加は、医学生の専門的能力の開発にとって重要である。しかし、学生はしばしば受動的な観察者としての役割を経験すると報告しており、学生の参加に影響を与える文脈的要因に関するさらなる研究が必要である。実践アーキテクチャの理論は、文化的-弁解的、物質的-経済的、社会的-政治的な取り決めが、どのように学生の臨床実習への参加を可能にし、制約するかを解明することにより、この課題に対する新しい視点に貢献するものである。本研究の目的は、臨床学習環境における実践構造が、どのように医学生の参加を可能にし、また制約しているのかを探ることであった。

方法:本研究は、3つの学生向け診療所におけるエスノグラフィック・フィールドスタディとして計画された。106時間の観察を行った。分析は、エスノグラフィックな分析に続いて、実践アーキテクチャの理論を適用することで行われた。

結果:エスノグラフィック分析の結果、「場を設定する」「いつ助けを呼ぶか」「私の部屋-私の患者」「日課にする」「あなたが知らないことを知っている」「私の仕事は必要とされている」という6つのテーマが抽出された。実践アーキテクチャの理論を適用すると、診察室や必要な道具の管理といった物質的・経済的な取り決めが、臨床職場における学生の参加と位置づけに重要であることが示された。さらに、学生が診察のある部分を自主的に行うことを義務付けることで、ケア生産者の階層における学生の共同生産的な位置づけが可能となった。

結論:この結果は、臨床学習環境の物質的・社会的側面を研究するための概念的に一般化可能なモデルを提供するものである。すべての臨床学習環境が学生クリニックの実施を希望したり、そのためのリソースを有しているわけではないが、本研究結果は、ほとんどの臨床教育の状況に関連する学生の参加のアレンジメントに関する一般的な問題についての洞察を提供するものである。