医学教育研究者・総合診療医のブログ

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International Medical Graduate Resident Wellness: Examining Qualitative Data from J-1 Visa Physician Recipients (Acad Med 2021)

Symes HA, Boulet J, Yaghmour NA, Wallowicz T, McKinley DW. International Medical Graduate Resident Wellness: Examining Qualitative Data from J-1 Visa Physician Recipients. Acad Med. 2021 Sep 14. Epub ahead of print.

背景:米国の医師人口の約25%を占める外国人医学部卒業生 ( International medical graduates; IMGs)は、レジデントプログラムに入る際に独自のニーズを持っている。本研究では、IMGsが米国に移住する際に遭遇するwellnessの障壁と課題を明らかにした。

方法:著者らは、21項目の調査における3つの自由回答式の質問の結果を分析した。この調査は、2019年12月に、Educational Commission for Foreign Medical GraduateのJ-1ビザプログラムがスポンサーとなっているIMGsのレジデント11,504人に実施された。これらの質問では、回答者にwellnessに対する課題、wellnessを維持する方法、移行の助けになったであろうリソースなどを記述してもらった。データの分析には、質的記述とカテゴリー別頻度の両方を含む混合研究法を用いた。

結果:実施したアンケートのうち、7,817件(回答率68%)の回答があった。回答者は、文化の違い(1,314人、17%)、医療制度(1,108人、14%)、家族や友人との距離(890人、11%)、官僚的な障壁(724人、9%)、言語やコミュニケーション、言語・コミュニケーションと経済的な問題(575人、7%と565人、7%)などの課題を挙げた。また、友人関係(2,800人、36%)、運動(2,318人、30%)、家族(1,822人、23%)、人付き合い(1,001人、13%)、健康的な食事(775人、10%)の順で、健康を維持するために重要な要素であると回答した。回答者は、社会化(741人、9%)、官僚的サポート(456人、6%)、IMGサポートネットワーク(427人、5%)、経済的サポート(404人、5%)、オンラインリソースの充実(240人、3%)について、より多くの情報を求めていた。

結論:IMGは、その集団に特有のニーズや懸念を持っている。参加者の回答によると、彼らは職場や私生活でさらなるサポートを求めているようであった。また、米国の医学部卒業生が直面しないような移民法の変動など、IMGsは独自のストレスを経験していることが示唆された。最後に、この研究は、社会的なwellnessと身体的なwellnessを結びつける一連の研究を裏付けるものである。これらの課題を特定し、説明することで、著者は、IMGsレジデントのwellnessを向上させるための具体的なプログラムやリソースの開発に役立てようとしている。