医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Co-designing formal health professions curriculum in partnership with students: A scoping review (Med Teach 2024)

Abbonizio J, Palermo C, Brand G, Buus N, Fossey E, Dart J. Co-designing formal health professions curriculum in partnership with students: A scoping review. Med Teach. 2024 Apr 15:1-12. Epub ahead of print.

背景:保健医療専門職教育(HPE)の設計、開発、提供において、学生との共同設計やパートナーシップの価値が証明されつつある。しかし、学生がHPEの共同デザインに参加する方法については、ほとんど未解明のままであり、学生とのパートナーシップを定着させ、強化する方法についてのガイダンスはほとんどない。

方法:我々は、scoping reviewの手法を用いて、HPEにおける正式なカリキュラムの共同設計において、学生が積極的なパートナーとなっている研究を特定し、集約した。

結果:5つのデータベースを検索し、12,656の論文を包含基準に照らしてスクリーニングした結果、21の研究が特定された。研究のほとんどは、欧米の医療プログラム(n = 15)に基づいていることがわかった。研究のほとんどは記述的な事例報告(n = 10)であり、participatory/action research designsを利用した研究は3件のみであった。共同設計されたアウトプットは、倫理、健康の不平等、人種的・性的偏見、グローバルヘルス、先住民の健康など、HPEの難しいトピックに関する教室ベースの学習が中心であった。学生-教員間のパートナーシップや基礎となるアプローチに関する詳細な記述は、全体的に不足していた。

結論:共同設計の手法を最適化するために、HPEと研究は、批判的研究と教育学的アプローチに深く関与し、共同設計のプロセス、アウトプット、結果についてより強固な評価を行う必要がある。教育実践においては、積極的な共同設計のパートナーとしての学生の正式な役割や機会の創出、HPEにおける学生と教員のより公平な位置づけの育成など、組織構造、教育・学習文化、関係要素への挑戦が必要である。