Soroski T, Hove K, Steblecki L, Yu JC. Evaluating the domains of generalism and equity, diversity and inclusion in preclinical simulated cases for targeted curricular improvements. Med Educ Online. 2024;29:2331852.
背景:模擬症例は、臨床推論能力を養い、患者ケアに関する重要なトピックについて議論するために、医学教育で広く用いられている。このような症例は、多様な患者や医療提供者のアイデンティティ、健康の社会的・構造的決定要因の影響、問題に対するジェネラリスト的アプローチを、実世界での出会いを実証する機会となる。しかし、公平性、多様性、包括性(EDI)、ジェネラリズムをよりよく取り入れるよう医学部に対して多くの呼びかけがなされているにもかかわらず、これらの目標がどの程度達成されているかを評価することは依然として困難である。
方法:1つのメディカルスクールにおいて、前臨床カリキュラムで使用される模擬症例におけるジェネラリズムとEDIの領域を評価するための質改善プロジェクトが完了した。ジェネラリズムはToronto Generalism Assessment Tool(T-GAT)を用いて評価した。EDIはローカルに開発された新しいツールを用いて評価した。分析には記述統計とピアソン相関係数を用いた。
結果:合計49の模擬症例を検討した。12項目のジェネラリズムと5項目のEDIを5段階のリッカート尺度で採点し、得点が高いほど、症例内でジェネラリズムまたはEDIがよりよく発揮されていることを示した。全症例のジェネラリズムの平均得点は45.6/60点であった。全症例の平均EDIスコアは11.7/25であった。1つ以上の多様なアイデンティティのカテゴリーを表現した症例は21/49症例のみであった。最も多く表現された多様なアイデンティティは非白人人種/民族であり、最も少なく表現されたアイデンティティは言語流暢性の多様性であった。ジェネラリズムとEDIスコアは弱い正の相関を示した(R2 = 0.25)。
結論:特定のジェネラリズムとEDIの採点ツールを用いて模擬症例を定量的に評価することで、症例指導の改善点を見出すことに成功した。このアプローチにより、症例を改善するための主要な内容領域と、現在症例指導で十分に扱われていないアイデンティティが特定された。同様のアプローチは、他のメディカルスクールでも、症例教育や他のカリキュラム教材におけるジェネラリズムとEDIを改善するために利用可能である。