医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Beyond the Written Reflection: A Systematic Review and Qualitative Synthesis of Creative Approaches to Reflective Learning Amongst Medical Students (Perspect Med Educ 2023)

MacAskill W, Chua WJ, Woodall H, Pinidiyapathirage J. Beyond the Written Reflection: A Systematic Review and Qualitative Synthesis of Creative Approaches to Reflective Learning Amongst Medical Students. Perspect Med Educ. 2023;12:361-371.

背景:医学教育におけるリフレクティブ・ラーニング(RL)は、そのほとんどがライティングと少人数でのディスカッションから構成されているが、多様な学習嗜好に対応することは、生涯にわたるリフレクティブ・プラクティショナーを育成するうえで重要な要素である。医学教育では、より多様な学習嗜好に対応した創造的なRLへのアプローチを数多く用いているが、創造的なRLが学生の成長にどのような包括的な恩恵をもたらすかは不明である。創造的なRLアプローチが学生の全人的な成長にどのように寄与するかを理解するために、我々は質的な系統的レビューと統合を行った。

方法:PubMed、PsycINFO、EMBASEデータベースを系統的に検索した結果、4986件の記録が確認され、15件の研究が組み入れ基準を満たした。含まれた研究は、RLが医学生に与える影響を特に評価し、RLへの創造的なアプローチを利用したものであった。創造的なアプローチとは、主にリフレクティブ・ライティングやグループディスカッションに焦点を当てていないものと定義した。研究は、Critical Appraisal Skills ProgrammeとChecklist for Quasi-Experimental Studiesを用いて評価した。

結果:RLの方法として、「見る」「演じる」「創る」「想像する」「心と体」という5つの特徴が明らかになった。テーマ分析により、関係の構築と維持、自己開発、帰属意識という3つのテーマが導き出された。これらのテーマには、8つのサブテーマが含まれていた:複数の視点を認識すること、他者に共感すること、双方向のコミュニケーションスキル、患者中心のケア、思考と感情の処理、セルフケア、仲間との積極的な交流、信頼と共通性の育成。

結論:創造的なRLのアプローチは、学生の帰属意識を育み、対人関係スキルや自己開発を支援する可能性がある。さらに、創造的なRL活動は、医学部卒業生の全人的な成長に貢献し、革新的で型にはまらない方法を用いて多様な学生のニーズに対応する機会を提供する可能性がある。