医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Medical students' views on what professionalism means: an Ubuntu perspective (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2023)

Mokhachane M, Green-Thompson L, George A, Wyatt T, Kuper A. Medical students' views on what professionalism means: an Ubuntu perspective. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Sep 15. Epub ahead of print.

背景:医師養成はグローバルな現象となっており、Physician's Charter (PC)は宣教文書として、the Global North外の人々を養成する鍵となっている。医療専門職の卒前生・卒後生は、社会的・存在論的背景とは異なる文脈で訓練を受けることがある。そのため、現地の事情に精通していない人々には、専門家らしくない印象を与え、混乱や不手際を招く可能性がある。研修生の文化的背景を理解することは極めて重要であるが、その逆もまた同様に重要である。ミスコミュニケーションを避けるためには、臨床医と研修生が患者の文化的背景を理解することが不可欠である。

方法:この現象学的研究では、2020年の#FeesMustFall抗議デモの際に、医学研修1年目から4年目までの参加者を募集した。我々は、南アフリカの高等教育機関における抗議行動と社会的動乱のなかでの研修中の学生の経験を調べたこの広範な研究のデータを使用した。本論文では、アフリカのウブントゥ・レンズ (African Ubuntu lens)を用いて、学生参加者にとってプロフェッショナリズムとは何かを検討した。参加者にとってプロフェッショナリズムとは何かを調査するために、Ubuntu and the Collective Finger theoryが用いられた。Ubuntuの哲学はPCと比較された。

結果:調査結果では、臨床の場は階層的で、沈黙を守り、Ubuntuが意味することとは正反対である。PCと比較すると、尊敬は包括的であり、思いやりと責任は憲章と最も類似している。

結論:本研究は、プロフェッショナリズムの言説にアフリカの声を加えるとともに、現在のグローバルな言説に挑戦するために、PCに合わせることができるアフリカの要素を示している。