医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Measuring teacher identity of physicians - a validation study of a questionnaire instrument (Med Educ Online 2024)

Schindler AK, Schimmel M, Oezsoy M, Rotthoff T. Measuring teacher identity of physicians - a validation study of a questionnaire instrument. Med Educ Online. 2024;29:2333618.

背景:教師のアイデンティティは、人の自己確信(「アイデンティティは私が持っているもの」)と文脈依存的な行動(「アイデンティティは私が文脈の中で行うもの」)の連続体として定義されている(Lankveld et al. 2021)。これは、医師の教育コミットメントに関連する寄与因子であることが確認されている。本研究では、現在唯一存在する医師の教師アイデンティティを測定する質問票(37項目)をさらに改善する。

方法:ドイツの大学病院に勤務する臨床医147名の調査データを、(1) 確証的因子分析(CFA)により分析した。我々は、(a) 当初提案された尺度のモデル適合度、(b) 項目削減によるモデル適合度改善の可能性を検証した。この結果、すべての尺度について満足のいく適合が得られなかったため、(2) 探索的アプローチとしてprincipal axis factoringを適用した。最後に、(1)と(2)で得られた知見を理論的な項目内容の考察と組み合わせ、(3)再度CFAを用いてチェックした尺度を提案した。

結果:(1a) オリジナルの尺度から2つの尺度を確認することができた。(1b) いくつかの尺度は項目削減の恩恵を受けた。(2) 探索的分析により、少なくとも5%の分散を説明する3因子が同定された。(3) 確証的・探索的知見と項目の内容分析を統合し、以下の7つの尺度からなる質問票を部分的に再構成した:(1) 教えることに内発的満足を感じている、(2) 教えることに責任を感じている、(3) 教える経験の交換、(4) 教える役割の識別と楽しみ、(5) 教えることの発展、(6) 教える能力の自己概念、(7) 教えることへの報酬の欲求。4項目は単一項目とした。

結論:医師の教師としてのアイデンティティを評価する際には、現在積極的に教育に携わっていない医師からさえも回答が得られるようにすべての項目を構成すべきであることを示唆する。この尺度は、van Lankveld et al. (2021)によって概説されたように、教師のアイデンティティの連続性に基づいて項目を分類することが有益であった。