医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Medical school origins of award-winning psychiatrists; analysis of a complete national dataset (BMC Med Educ 2024)

Steele S, Andrade G, Stott J. Medical school origins of award-winning psychiatrists; analysis of a complete national dataset. BMC Med Educ. 2024;24:212.

背景:英国はNational Health Serviceに従事する医師を世界中から集めている。この国で働く受賞歴のある医師の教育背景を明らかにすることは、医学教育上の重要な問題であり、功労賞の監査にもなりうる。英国の臨床功労賞制度をアウトカム指標として用い、国内的または国際的に著名であると確認された受賞医師の出身メディカルスクールを明らかにする。

方法:Clinical Excellence Awards/Distinction Awards制度は、英国において高い業績を上げた医師を選出するもので、全国的に著名な医師以上のカテゴリーがある。受賞医師901名全員の2019-20年データセット定量的観察分析において、このアウトカム指標を用いた。必要に応じてピアソンのカイ二乗検定を用いた。

結果:データセットが85のメディカルスクールを表しているにもかかわらず、5つの大学メディカルスクール(ロンドン大学メディカルスクール、グラスゴーエジンバラアバディーンケンブリッジ)が、2019年ラウンドの精神科医受賞医師の59.1%を占めた。精神科医受賞者の84.1%はヨーロッパのメディカルスクールの出身であり、精神科医以外の受賞者の92.1%であった。国際的なメディカルスクールの卒業生は、受賞した精神科医の22.7%を占めた。国内受賞の下位グレードの精神科医は、より多様な17のメディカルスクールの出身であった。IMGsは5大陸の多様なメディカルスクールの出身であり、最も低いグレードの国内功労賞受賞者の24.2%を占めていた。

結論:受賞した精神科医の大多数はわずか5つのメディカルスクール出身であった。最下位グレードの国家最優秀精神科医賞受賞者では、より多様なメディカルスクール出身者が存在した。精神科医の受賞者は、精神科医以外の受賞者(10.8%)よりも国際的なメディカルスクール卒業生(22.7%)の方が多かった。本研究は、受賞者の輩出と関連する教育の中心を示すだけでなく、メディカルスクールを選択する際の合理的な意思決定のための道筋を学生に提供するものである。