Park YS, Ryan MS, Hogan SO, Berg K, Eickmeyer A, Fancher T, Farnan J, Lawson L, Turner L, Westervelt M, Holmboe E, Santen SA; Medical School Outcomes Milestones Study Group. Transition to Residency: National Study of Factors Contributing to Variability in Learner Milestones Ratings in Emergency Medicine and Family Medicine. Acad Med. 2023 Aug 3. Epub ahead of print.
背景:研修期間中の学習の発展的軌跡は、研修生個人の成績のばらつき、プログラムレベルの要因、卒業したメディカルスクールの影響、学習環境など複数の要因に起因すると考えられる。メディカルスクールと研修期間中の学習者のパフォーマンスとの関係を理解することは、研修医および卒後研修への効果的な移行を図るための卒前カリキュラム戦略および教育アプローチの優先順位を決定するうえで重要である。本研究では、救急医療(EM)と家庭医療(FM)の全国コホートデータを用いて、卒業したメディカルスクール、研修プログラム、学習者による変動に焦点を当て、レジデントのマイルストーン評価の縦断的変動と発達的変動の要因を探る。
方法:2016年7月にレジデントがトレーニングに入ったプログラムのデータを用いた(EM:n=1,645レジデント、178研修プログラム、FM:n=3,997研レジデント、487研修プログラム)。データの傾向を調べるために記述統計を用いた。Cross-classified mixed-effects regressionを用いてマイルストーン評価の分散成分を分解した。
結果:卒後年度(PGY)-1では、卒業したメディカルスクールがマイルストーン評価のばらつきの5%と6%を占めたが、PGY-3ではEMとFMでそれぞれ2%と5%に減少した。PGY-1では研修プログラムのばらつきが大きかったが(EM = 70%、FM = 53%)、PGY-3では減少し(EM = 62%、FM = 44%)、患者ケア(PC)、医学知識(MK)、システムに基づく診療(SBP)では研修期間によるばらつきが大きかった。学習者のばらつきは、PGY-1(EM = 23%;FM = 34%)とPGY-3(EM = 34%;FM = 44%)の間で有意に増加し、実践に基づく学習と改善(PBLI)、プロフェッショナリズム(PROF)、対人コミュニケーションスキル(ICS)のばらつきが大きかった。
結論:マイルストーンの評価に最も大きなばらつきがあるのは研修プログラムであり、学習者やメディカルスクールによるばらつきはそれほど大きくない。プログラムレベルの因子が学習者に与える動的な影響は、1年目から研修期間中にかけて変化し、研修期間を通してレジデントのパフォーマンスにカリキュラム、指導、プログラム上の因子が影響することを浮き彫りにしている。