医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Social Dynamics of Advice-Seeking: A Network Analysis of Two Residency Programs (Teach Learn Med 2023)

Akbari-Kamrani M, Mortaz Hejri S, Ivan R, Yousefi-Nooraie R. Social Dynamics of Advice-Seeking: A Network Analysis of Two Residency Programs. Teach Learn Med. 2023 Jan 23:1-10. Epub ahead of print.

背景:レジデントは、患者の治療中に起こる複雑な状況に対して、同僚や上司に助言を求めるために交流している。本研究では、職場学習をより深く理解するために、2つの研修プログラムにおいて、助言を求めるネットワークの構造とダイナミクスを調査した。

方法:調査ベースのソーシャルネットワーク調査を実施した。調査票を作成するために、フォーカス・グループ・ディスカッションを行い、アドバイスの3つの主要なカテゴリーを特定した:事実上の知識、臨床推論、手技スキル。研修期間が6か月以上ある救急科と精神科のレジデント49名を対象に、アドバイスの源となる指導医と同期レジデントを名簿から推薦してもらった。参加者は、前月に3つの大分類に関して、それぞれの人に助言を求めた回数を明らかにした。各診療科におけるアドバイスのカテゴリーごとに、密度 density、中心性 centrality、互恵性 reciprocityの指標を算出した。

結果:救急科と精神科の回答率はそれぞれ100%(n = 21),85.7%(n = 24)であった.救急科レジデントのアドバイスネットワークは、精神科レジデントのネットワークと比較して、密度が高く、階層性が低く、互恵的でなかった。両診療科とも、PGY-1がアドバイスを求めるトップであり、PGY-2、PGY-3、指導医にアドバイスを求めることが多かった。両科とも「手技スキル」ネットワークの密度は最も低かった。精神科では、アドバイスの種類に応じたアドバイス源の重複が少なく、アドバイス源の選択性が高いことが示唆された。

結論:レジデント間の複雑な社会構造とダイナミクスは、分野や年功序列のレベルによって異なる。プログラムディレクターは、各診療科のネットワークパターンに合わせた教育的介入を行うことで、タイムリーで効果的なアドバイスの収集文化を促進し、ひいては最適な情報提供による患者ケアにつながる可能性がある。