Rhee DW, Reinstein I, Jrada M, Pendse J, Cocks P, Stern DT, Sartori DJ. Mapping hospital data to characterize residents' educational experiences. BMC Med Educ. 2022;22:496.
背景:患者診療を通じた経験的学習は、卒後医学教育の基本である。にもかかわらず、研修生が臨床実践で実際に受ける内容は定量化が困難であり、その特性は十分に把握されていない。レジデントの患者診療活動がどのように彼らの教育経験に反映されるかを正確に定義する必要性は依然として満たされていない。
方法:最近開発されたクロスウォークツール (crosswalk tool)を用いて、1つの内科系研修プログラムの4つの研修病院における1年間の主なICD-10退院診断コードと米国内科学会(ABIM)の内容をマッピングし、レジデントの臨床教育経験を特徴づけ、比較検討した。レジデントの入院臨床経験を集計し、カリキュラムの変更を促すため、大まかな内容カテゴリーとより具体的な症状カテゴリーの頻度を各施設間で比較した。
結果:調査期間中に入院患者を担当したレジデントチームの退院は18,604件であった。クロスウォークは、各施設の退院の95%以上を捉えていた。感染症(総退院数の17.4~39.5%)および心血管疾患(15.8~38.2%)は、各施設で最もよく見られるコンテンツカテゴリーであった。アレルギー/免疫学、皮膚科学、産科/婦人科、眼科、耳鼻咽喉科/歯科は、各サイトで1%以下と、著しく少なかった。また、ほとんどのカテゴリーで病態の頻度に有意差があり、レジデントが入院研修中に各施設固有の臨床内容を経験していることが示唆された。
結論:レジデントが経験する臨床的内容には各病院で大きな違いがあり、レジデントの病院での教育経験を充実させるためには、いくつかの重要なプログラムおよびカリキュラムの変更を余儀なくされる。