Chan SJ, Archibald HL, Conner SM. NET Rounding: a novel approach to efficient and effective rounds for the modern clinical learning environment. BMC Med Educ. 2022;22:600.
背景:回診は、入院患者のケアと教育における基本的な実践であるが、入院患者のチームに対する要求の高まりから、非効率的で効果のない回診に不満が持たれている。本研究では、患者の安全性と教育を維持しながら効率的な回診を実現するために、行動学に基づいた戦略を入院患者に提供する新しい回診フレームワーク("NET Rounding")の設計、実施、および評価について説明する。
方法:NET Roundingは、3つのカテゴリーに分類された9つの推奨事項で構成されている。新しい回診戦略、期待値の共有、時間管理である。このフレームワークは、2021年3月から5月にかけて、単一サイトの4次医療機関である学術病院において、バンドル型介入として導入された。介入期間中、83名のレジデントと64名のアテンディングが入院患者教育サービスをローテーションした。参加者は、回診の教育的価値への貢献、患者の安全、レジデントの勤務時間違反、ローテーション経験について、ローテーション前、ローテーション中、ローテーション後に調査された。さらに、チームアテンディングによって回診時間が毎日記録された。
結果:レジデント32 名(38.5%)とアテンディング 45 名(70%)が介入後のアンケートに回答した。回診時間は529/626回診日(80.6%)で記録され、412/529日(77.9%)で効率的な回診が達成された。レジデントは、NET Roundingにより、患者の安全性(54~84%、p=0.0131)と回診の教育的価値(38~69%、p=0.0213)の向上を報告したが、これらの領域におけるアテンディング間の変化(79~84%、70~80%、p=0.7083、0.4237)は観察されなかった。全体として、レジデント29/32名(91%)、アテンディング33/45名(73%)がローテーション経験にプラスの影響を与えたと報告した。
結論:NET Roundingは、患者の安全性と教育を維持しながら、入院患者の教育チームがより効率的に回診を完了することを可能にした。