医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Collaborators as a key to survival: an ethnographic study on newly graduated doctors' collaboration with colleagues (BMC Med Educ 2022)

Klitgaard TL, Stentoft D, Johansson N, Grønkjær M, Nøhr SB. Collaborators as a key to survival: an ethnographic study on newly graduated doctors' collaboration with colleagues. BMC Med Educ. 2022;22:604.

背景:新卒の医師は、最初の数カ月は困難で、圧倒される。この時期を乗り切るためには、同期生、上級医、正看護師、他の若手医師などの協力者が不可欠である。しかし、これらの協力関係の特徴や、新卒医師が協力関係を構築・維持しようと努力する際に、どのような問題があるのかについては、ほとんど知られていない。本研究では、新卒医師の視点から、連携について詳しく説明し、探求することを目的としている。

方法:新卒医師(n=11)を対象に135時間の参与観察を行い、曜日や時間帯を変えて勤務時間中の医師を観察した。さらに、6回の半構造化インタビュー(グループインタビュー4回、個人インタビュー2回)を実施した。データはテーマ分析された。

結果:新卒医師は、目の前の課題に応じて異なる協力者(同僚、上級医、正看護師、他の若手医師)に相談し、協力を得て協力者との良好な関係を確保するために異なる戦略を使っていた。1)能力を示す、2)謙虚に見える、3)ゲームに参加する。このように、彼らはさまざまな戦略を駆使して、連携に取り組む姿勢と、その重要性を示している。

結論:新卒医師が働きはじめて最初の数カ月を乗り切るためには、さまざまな協力者との関係づくりが不可欠である。我々は、メディカルスクールからの移行期に取り組む際に、同僚のNGDsや正看護師との連携が注目されていないことを主張する。我々は、これらの人々や他の協力者に焦点を当て、異なるワークアジェンダ、相互期待、相互依存について議論することが重要であることを強調する。これは導入期に取り組むことで、より良い学習環境と尊重しあう多職種間の文化を確保する1つの方法となり得る。