医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Getting on the Same Page: A Quality Improvement Project to Enhance Nurse-to-Resident Communications and Reduce Overnight Sleep Interruptions (J Grad Med Educ 2022)

Fisher R, Chaggar R, Zenger A, Hamilton S, Carter W. Getting on the Same Page: A Quality Improvement Project to Enhance Nurse-to-Resident Communications and Reduce Overnight Sleep Interruptions. J Grad Med Educ. 2022;14:311-317.

背景:多くの臨床研修プログラムでは、病院からの連絡に応じたり、自宅から指示を出したりする、「ホームコール (home call)」レジデントを活用している。多くの場合、レジデントは近くに住み、必要であれば直接出向くことが要求される。レジデントは、ホームコール中も通常の日中勤務を行い、それが数日間続くこともある。このため、睡眠が妨げられ、レジデントの疲労が増加し、患者の安全性に問題が生じる可能性がある。本研究の目的は、午後11時から午前6時の間に、看護師から在宅待機中の理学療法リハビリテーション医(physical medicine and rehabilitation; PM&R)に対する緊急でない夜間ページを減らすための新しいプログラムを実施し、評価することである。

方法:三次医療大学教育病院の入院急性期リハビリテーション病棟において、2018年と2019年に9か月間隔で実施した看護師・医師会議から派生した介入による2段階前向き品質改善研究を実施した。1つ目の介入は、夜間のハンドオフシートを一元化することであった。2つ目の介入は、PRN薬の提案リストをレジデントの作業室に表示することであった。主要アウトカム指標は、午後11時から午前6時の間に緊急でないページがある夜の割合であった。緊急ページの追跡と午前7~10時の緊急ページがバランス測定に使用された。

結果:合計1835のテキストベースの看護ページ(介入前366、介入後1469)が受信され、17ヶ月間に内容、緊急度、タイミングによって分類された。介入後、夜間の緊急性のないページは安定して25%減少していた。最も多い時間帯は、午後11時から午後8時であった。夜間の訴えは、痛み、便秘、不眠、嘔気が最も一般的であった。

結論:夜間診療の特徴を把握・研究し、夜間看護スタッフとの協働により、1年以上にわたって夜間の非緊急診療を減少させることができた。