医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

ACGME Milestones in the Real World: A Qualitative Study Exploring Response Process Evidence (J Grad Med Educ 2022)

Maranich AM, Hemmer PA, Uijtdehaage S, Battista A. ACGME Milestones in the Real World: A Qualitative Study Exploring Response Process Evidence. J Grad Med Educ. 2022;14:201-209.

背景:2013年にACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education)がマイルストーンを導入して以来、その使用を支持する有効性のエビデンスが増えているが、対応プロセスに関してはギャップがある。本研究の目的は、臨床能力委員会(Clinical Competency Committee; CCC)委員がレジデントにマイルストーン評価を付与する際の個々の回答プロセスに関連する妥当性エビデンスを定性的に調査することである。

方法:構成主義パラダイムを用いて、2020年11月から12月にかけてのCCC会議直後に、4つのプログラムのTransitional Year(TY)CCCメンバー8名に対して半構造化インタビューを行い、テーマ分析を実施した。参加者は、マイルストーン評価を適用する際の対応プロセスについて質問された。分析は、コーディング、定比較、テーマ分けを含む反復的なものであった。

結果:参加者のインタビューから、正式なトレーニングを受けていないこと、マイルストーンはプログラム評価における役割を認識せずレジデント評価のためのツールであると認識していることが確認された。参加者は、マイルストーンの評価を行うために、平均的な評価データを同僚や研修期間と比較していることを報告した。有意義な説明文がある場合は、レジデントのパフォーマンスを同僚と区別していた。評価データがない場合、参加者は平均的なパフォーマンスを想定していた。

結論:本研究では、TY CCCメンバーによる回答プロセスは、レジデントとプログラムの教育成果を向上させるというマイルストーンの2つの目的に必ずしも合致していないことが明らかになった。